数値で見る蓄電池の環境効果!環境以外のメリットも解説!
蓄電池といえば、あなたはどのような印象を持っているでしょうか。
人それぞれだとは思いますが、一般的に多いのは環境に優しくてエコ・省エネな製品というイメージでしょう。
しかしながら、蓄電池が環境に優しい具体的な理由とその効果までは、あまりよく知られていません。
本記事では、蓄電池が環境に優しい理由の裏付けを紹介しながら、環境メリットを数値化することで、蓄電池の環境メリットを詳しく解説していきます。
蓄電池が環境に優しい理由と裏付け
蓄電池が環境に優しいとされる理由は、どのような点にあるのでしょうか。
理由と併せて、その裏付けについても解説していきます。
蓄電池は節電効果で環境に優しい
蓄電池が環境に優しいと言われる1つの理由が、節電効果による電力の有効活用です。
蓄電池は、太陽光発電から電気を充電して、効率的に使うことで節電に役立てられます。
電力を無駄なく使い切ることができるので、環境に優しいというわけですね。
特に、太陽光発電と蓄電池を併用することで、売電時の送電ロスをなくして電力を最大限に活用、結果として環境負荷の低減に繋がります。
また、蓄電池が家庭にあるだけで、自然と節電に対する意識が高まります。
いつでも蓄電池用モニターで電気の使用状況を見られるので、使いすぎや節電の実績もチェック可能です。
ひとりひとりが電気の無駄遣いを避けることで大きな節電効果に繋がり、環境へ配慮した生活を送れることになるでしょう。
環境へ配慮したZEHに欠かせない蓄電池
蓄電池で環境貢献できることは、国から交付されているZEH補助金に、蓄電池が要件として含まれている事実が強い裏付けになっています。
ZEHとは「Net Zero Energy House」の略で、住宅で消費するエネルギーと創り出すエネルギーの和が、ゼロまたはマイナス0になるような省エネ住宅をいいます。
国は、地球温暖化問題の原因となっている温室効果ガス削減するため、このZEH住宅を施策の1つの柱として推進中です。
そして、ZEH住宅の普及に一役買っているのがZEH補助金というわけですが、実はこの補助金要件に蓄電池も含まれています。
消費エネルギー=創出エネルギーとするためには、太陽光発電などの創エネが必須ですが、それだけでは十分ではありません。太陽光発電の余剰電力を上手に使い切るために、蓄電池が不可欠なのです。
このため蓄電池は、環境に配慮した次世代の省エネ住宅であるZEHにも欠かせないパーツの1つとなっています。
つまりは、ZEH補助金に採用されている=蓄電池は国のお墨付きをもらった環境貢献できるエコ製品である裏付けになっていると言えるわけです。
数値で見る蓄電池の環境メリット
蓄電池が節電効果で環境に優しいことはわかりましたが、実際にどれだけ地球環境の改善に貢献できるのでしょうか。
ここでは、環境メリットの効果を具体的な数値に落として見ていきましょう。
太陽光発電と蓄電池の導入=年間830kgの二酸化炭素削減
結論から入ると、蓄電池を導入することは、太陽光発電と組み合わせることで、温室効果ガスである二酸化炭素を年間で830kgも削減することに繋がります。
実際に以下の条件を例として、簡単に計算してみましょう。
- 蓄電池の容量 7.0kWh
- 放電深度 70%
- 二酸化炭素基礎排出係数 0.00462t-CO2/kWh
- 年間電力消費量 5,600kWh
蓄電池は1日1サイクル、年間365サイクル使うと考えると、蓄電池でまかなえる年間の電力消費量は、単純計算で7.0kWh×70%×365サイクル=約1,800kWhです。
この電力量に二酸化炭素基礎排出係数をかけると、削減できる二酸化炭素量が算出されます。
二酸化炭素基礎排出係数とは、1kWhの電力を創り出すために、排出している二酸化炭素を算出するための指標です。
ここでは、一般送配電事業(沖縄電力以外)の係数、0.000462t-CO2/kWhという値を用います。
計算すると、容量7.0kWhの蓄電池を導入して太陽光発電で充電すると削減できる年間の二酸化炭素排出量は、約0.83トン、つまり約830kgとなります。(1,800kWh×0.000462t-CO2/kWh=0.83t-CO2)
つまり、蓄電池を10年間使えば、なんと8.3トンもの二酸化炭素を削減できるわけです。
この二酸化炭素量を杉の木に換算すると、杉の木1本が吸収する年間の二酸化炭素量が14kg-CO2なので、おおよそ59本になります。
つまり蓄電池を導入すると、59本の杉の木を植えていることと同じ環境貢献ができる、というわけです。
そしてもちろん、この数値は蓄電池の容量が増えれば増えるほどさらに大きくなります。
蓄電池の導入が、十分に環境へ貢献できることがおわかりいただけたでしょう。
また、蓄電池の運転モードを環境優先モードに設定することで、より環境に配慮した蓄電池の使い方も可能です。
メーカー・機種にもよりますが、蓄電池には主に経済・環境・安全の3つのいずれかを優先させる運転モードがあります。
環境優先モードにすると、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に充電、自家消費での使い切りを目指すことで環境への貢献度アップを狙えるでしょう。
蓄電池のメリットは環境効果だけじゃない
蓄電池には十分な環境効果があることがわかりましたが、もちろんメリットはそれだけにとどまりません。
ここでは、蓄電池の環境効果以外の3つの主要なメリットを紹介していきます。
- 非常時の停電も蓄電池で安心
- 蓄電池の節電効果は経済メリットも見込める
- 蓄電池でピークシフトによる社会貢献も可能
非常時の停電も蓄電池で安心
蓄電池のメリットと言えば、まずは非常時の備えとして停電になったときでも安心な点が真っ先に挙げられるでしょう。
日本では、普段の生活で停電にあうことはまれですが、自然災害によって突発的かつ長時間にわたって発生する可能性は十分にあります。
直近では、2019年9月に発生した台風15号の影響により千葉県内50市町村で最大約64万戸が停電被害に遭い、停電発生から全面復旧まで約2週間を要しました。
電気が使えないとなると、日常生活を送るために不可欠な電化製品はすべて使えません。
部屋の明かりはもちろん、食料保管に必要な冷蔵庫、エアコンなどの冷暖房、非常食で使う電気ポットや電子レンジなど、生活する上では手放せないものです。
そんな不安も、蓄電池があれば解決します。
容量次第ですが、停電になったとしても必要最小限の生活水準であれば、1〜3日間ほどは蓄電池に貯めた電力でまかなえるからです。
避難所から戻ってきても、停電から完全に回復しているとは限りません。
台風や地震など自然災害の多い日本では、非常時の備えとして蓄電池は非常に心強い製品と言えるでしょう。
蓄電池の節電効果は経済メリットも見込める
蓄電池は、節電効果による環境メリットとともに、電気代の節約という形で経済メリットも同時に見込めます。
蓄電池の経済メリットは、大きく2種類あります。
1つは、夜間に蓄電池へ貯めておいた安価な電力を、電力料金の高い昼間に利用する方法です。昼夜の電力料金の値差を利用して、高い昼間の電気購入量を減らすことで電気代の節約を図ります。(夜間の電力が安いプランを利用されている方が対象となります)
そしてもう1つは、太陽光発電と併用して自家消費を増やす方法です。
太陽光発電はFIT制度下では売電が主流でしたが、FIT制度終了に伴って買取価格は電気代よりも安い価格帯になることがわかっています。
そのため、今後は太陽光発電の電力は売電するよりもできる限り自家消費したほうが、経済的にお得になるわけです。
つまり、昼間に余った太陽光発電の余剰電力を蓄電池へ貯めて、太陽光発電が発電しない夜間や早朝に利用して電気代を抑えます。
蓄電池でピークシフトによる社会貢献も可能
蓄電池は、夜間に充電した電力で昼間の消費電力を賄うことで、ピークシフトによる社会貢献もできます。
ピークシフトとは、電力需要がピークを迎える昼間から、比較的電力需要の小さい夜間や朝方へ電力消費のタイミングをずらすことです。
電力需要の多い昼間は、必然的に電力系統や火力発電所の負荷が高くなり、電力供給の不安定さや二酸化炭素排出量の増加に繋がります。
蓄電池があれば、昼間の電力購入量を減らせるので、ピークシフトに貢献できるのです。
今後、蓄電池の導入量が増えて社会全体でピークシフトが進めば、よりスマートで環境に優しいエネルギー社会に一歩近づくでしょう。
また、蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、電力供給量のピークシフトも実現可能です。
現在は、太陽光発電の供給量が増えて電力需要が減るタイミングで、太陽光発電に出力抑制が働く可能性があります。
そこで、太陽光発電の余剰電力を売電せず蓄電池に充電、夜間に使うことで昼間の太陽光発電からの電力供給量に空き枠が出ます。
そうすれば、太陽光発電の出力抑制を必要最小限に抑え、再エネ由来のエネルギーを最大限活用できるようになるため、低炭素社会実現への貢献につながるでしょう。
蓄電池は環境メリット以外にもお得が盛りだくさん
蓄電池は、環境に優しいイメージそのままに、数値で見ても二酸化炭素削減による環境効果を十二分に発揮する製品でした。また、蓄電池のメリットは環境貢献以外にも、非常時の備えから経済メリット、ピークシフトとお得な点が盛り沢山です。さらに、太陽光発電との組み合わせることで環境メリットはもちろん、経済メリットやピークシフトも大幅な効果アップを見込めます。蓄電池の環境メリットを理解するとともに、他のメリットの理解を深めて、より効果的に蓄電池を活用していきましょう。
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